2017.03.22

エネルギーと食の未来を映すオフィスビル ヤンマー本社を徹底レポート

ヤンマー創業の地である大阪市北区茶屋町に、ヤンマー本社の新社屋・YANMAR FLYING-Y BUILDINGが誕生してから約2年。2017年2月からは、社員食堂・Premium Marché CaféがPremium Marché OSAKAとして生まれ変わり、週末限定で一般開放も始まりました。早速多くの方にお越しいただいてますが、ご覧いただけるのはもちろん食堂だけ。

ヤンマーのこだわりは食堂だけではなく、ビルのあちこちに表現されています。そこをぜひお伝えしたく、今回Y MEDIA編集部がヤンマー本社ビルを徹底取材してきました。普段はお客様でも立ち入ることのできないエリアを含め、エントランスから屋上までをたっぷりの写真と社員に聞いたトリビアでご紹介します。一緒にヤンマー本社を訪問した気分でご覧ください。

 


阪急梅田駅から茶屋町方面に出てすぐ、1Fの路面店でUNIQLO OSAKAが入ったビルに見覚えのある方もいらっしゃるのでは。このビルが、ヤンマー本社・YANMAR FLYING-Y BUILDINGです。

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ビル北側の壁がやや曲線を描く特徴的なフォルムは、風を受ける船の帆をイメージしています。

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南側の壁は、高さ50m、面積約1,230m2の壁面緑化。大気汚染物質の吸着や夏場にビル内の温度上昇を軽減するグリーンカーテンの役目を果たしています。植栽されているのは、背丈が高くならない3種類の地被植物。植栽ユニットがおさめられたルーバーに沿ったホースから、貯めた雨水を使い、自動で水やりが行われます。2017年1月には、建築外装材を一体化した壁面緑化の技術が評価され、「第36回 大阪都市景観建築賞」を受賞しました。

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オフィスビル入口は、ビル南西側にあるこちら。

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入口の壁面には、ヤンマーのブランドマーク・FLYING-Yが。創業100年を迎えたヤンマーが、次の100年への飛躍と豊かな社会の持続を目指して掲げた、新たなミッションステートメントと合わせて作成されました。豊作の象徴であり社名の由来でもあるオニヤンマの羽と、ヤンマーの頭文字をモチーフに、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がデザインしています。

ホテルのようなシックな雰囲気に、ヤンマーらしさを加えたエントランス

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外観の紹介はこの程度に、早速ビルの中へ。入口の自動ドア周辺の床にも、よく見ると大きなFLYING-Yが。社員や頻繁にいらっしゃるお客様でも気づかないとか。来訪の際には、床に隠された大きなFLYING-Yもチェックしてみてください。

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エレベーターホールの1階は、シックな雰囲気。木目調の壁面にも、FLYING-Yを連想させる斜めのラインが走っています。また、アグリ事業や農機具のイメージが強いヤンマーらしく、トラクターの轍もイメージされているのだとか。

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エレベーターホールの奥の大きな窓には水が流れ、静かな空間に水の音が響きます。こちらにも、環境への配慮から雨水が再利用されています。

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窓の奥には個室があり、両側の窓に水が流れる、癒しの空間とも呼べそうな小さなベンチソファースペースになっていました。訪問時の待ち合わせなど、ちょっとした時間に誰でも利用できちゃいます。

さて、この日はセレッソ大阪仕様になっていたエレベーターに乗って、総合受付のある11階まで上がりましょう。

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お客様を迎えるフロアに備えた、こだわりのデザインと機能性

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11階のエレベーターホールを抜けるとすぐ、総合受付です。常時4名程度の受付担当社員が迎えてくれます。毎日100社にのぼる国内外からのお客様の応対をしている彼女たち。「お客様の状況もそれぞれ異なりますので、できるだけお一人お一人の気持ちに寄り添えるよう心がけています」と笑顔で語ってくれました。

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受付のカウンター上には、2016年12月のJ1昇格を記念したセレッソ大阪の選手サインボールが飾られていました。ヤンマーとセレッソ大阪にどのような関係が? と疑問に思われた方は、こちらの記事もご覧ください。ヤンマーとセレッソ大阪の歴史が語られています。

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受付の両サイドには、2枚の大きなサイネージ。受付を正面に右側に表示されているのが、現在の自家発電稼働率。ビル内の発電システムの稼動率が、6秒ごとに更新されます。100%で、1階および6階~12階のヤンマー本社フロアに必要な電力量がまかなえるそうなので、この時は4階以下の商業フロアに余剰電力がまわされている状態。

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左側のサイネージには、現在の本社と旧本社のCO2排出量を比較した際のCO2削減量が1時間ごとに更新されます。1年目の実績値は59.7%、2年目は約61%と年々最適化が進んでいるそう。ZEB(ゼロエミッションビル)を掲げたこのビルには、CO2削減のためのさまざまな設備が備わり、二つの数字がその取り組みの成果を見える化しています。

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受付の後ろは、洗練されたデザインの待合スペース兼打ち合わせ用ブース。

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オープンな雰囲気のテーブル&チェアもあります。

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11階は、来客用の会議室スペースがメイン。大小合わせて全18室の会議室が設けられているそう。

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こちらは、フロアの中心近くに鎮座する、通称デッキと呼ばれる会議室。木で包まれたような外観がインパクト大です。呼び名の通り、船のデッキをモチーフにデザインされています。

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中に入ると左の壁には、コーポレートカラーの赤でデザインされた吸音パネル。デザインは各会議室ごとに異なるのだそう。その下には、船の客室をイメージさせるベンチソファーがありました。

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会議室の窓は電気カーテンになっており、通常はガラス張りのオープンな会議室ですが、ボタンひとつでガラスが不透明に。機密性の高い会議の際に利用します。

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ほかには、応接室タイプの会議室も。この会議室は、船の形をしたビルの舳先にあたる場所。ローテーブルの天板には、旧本社の壁面に使用されていた大理石が使用されています。

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フロアの自動販売機もセレッソ大阪仕様。

消費エネルギーを減らし、
社内コミュニケーションを増やす螺旋階段

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11階から執務フロアの6階へ、ビルの中心部を貫く螺旋階段を降りていきます。

6階から12階までのフロアをつなぐこの階段は、エコシリンダーと呼ばれています。デザインは、YTトラクターを中心にヤンマー製品のプレミアムデザインを手がけている奥山清行氏。モチーフのシリンダーはエンジンの部品のひとつで、筒状のシリンダーの中をピストンが往復運動することで力を生み出す、まさに主要部分。

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エコシリンダーには自然換気の役割があり、各フロアから取り込んだ外気がエコシリンダーを煙突のように通り、屋上へと抜けることでビル内の空気が排出される仕組み。気候の良い季節は電気を使わず、自然の力だけで換気ができるほどです。また、エコシリンダー上部に設置された太陽光追尾装置で自然光を取り入れ、照明の利用も最小限に抑えるなど、階段も消費エネルギーの削減に貢献しています。

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エコシリンダー周辺はすべてガラス張り。フロア間の移動時に各階の様子がよく見えます。これには6階~9階に分かれている執務フロアの壁を越えて、コミュニケーションを発生させるという狙いがあるのだそう。実際階段を利用する社員が多く、エコシリンダーがコミュニケーションを生むハブの役割を果たしています。

社員の働きやすい環境が整った、6階から9階までの執務フロア

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いよいよ本邦初公開の執務フロアへ。エコシリンダーから6階へ入ると、社員手作りのウェルカムボードが迎えてくれました。ヤンマーグループのお客様・グループ企業の社員や就職活動中の学生を対象に社内見学を実施していることもあり、月ごとにデザインを変えているそうです。

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まずはエコシリンダー周辺から。

エコシリンダー周辺は、コラボレーションゾーンと呼ばれる共用スペースになっており、業務で関わらない社員同士のコミュニケーションを発生させるための導線を意識した設計だそう。コピー機や共用の事務用品置き場、立ち会議用のカウンターなどがあります。

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打ち合わせや個人利用も可能なデスクとソファーは色鮮やか。

このような席以外にもフロアをぐるりと回ると、窓際には円柱型の集中ブースもあり、様々な業務のシチュエーションに対応できるようなオフィス環境が用意されていました。

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「社内ライブラリー」と呼ばれるマガジンコーナーには、フロアごとにジャンルの異なる本が並びます。

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見上げるとデジタルサイネージを発見。社内向けに発信される情報の収集や、なんと社員食堂の混雑具合がわかる便利なスグレモノです。

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照明は人感センサー付きLEDで、人がいないエリアは自動で消灯。照度も一般的なオフィスの700ルクスに比べ、300ルクスに抑えてあり、二重三重に省エネへの工夫がされています。

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空調は天井放射パネル方式を採用。天井パネルの小さな穴からゆるやかに温度調整された空気を吹き出します。

一般の空調方式に比べて省エネかつ、ドラフト感の少ない快適な空調方式です。窓際には専用の空調機を設置して、場所による体感温度の違いにも配慮していました。

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こちらは、ヤンマーがスポンサーをしているセレッソ大阪で、現在8番で活躍中の柿谷曜一朗選手のサイン。
エコシリンダーのガラス面には柿谷選手の他にも左から、ミスターセレッソこと森島寛晃氏、ヤンマーの企業イメージキャラクターを務める香川真司選手、2017年シーズンよりセレッソ大阪へ復帰した清武弘嗣選手、そして柿谷選手と……セレッソ大阪のエースナンバー・8番を背負った歴代選手のサインが並んでいました。

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執務フロアの会議室は、ガラス張りでオープン。予約・取り消し管理はパソコンからも、会議室前のタッチパネルからも可能です。予約だけして実際に使用されないと、20分で予約が解除されます。ありがたい機能ですが、未使用者のログは残っているのだとか……

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デスクに個人ワゴンが設置されていないので、荷物や業務に関する資料はすべて個人ロッカーに収納されています。こちらは読者の皆さんもよくご存知の、アノ双子のロッカーのようです。

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執務フロアでもう一つ驚かされたのが、クローゼット。左が女性用、右が男性用ですが、違いがわかりますか? 男性と女性の背の高さを考慮してラックの高さが変えてあるんです。こんな細かい部分までユーザビリティに配慮されている点に驚きです。

災害リスクに備え、防災力にこだわった構造

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執務フロアをひと巡りした後は、通常は社員も立ち入ることのない5階へ。この階は、地震が起きた際にビルへの振動を吸収し、建物の被害を最小限に抑えるための免震層。

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このフロアにある16本の柱は、すべて地震の揺れを軽減するための免震構造になっています。通常免震構造は低層階に作られるそうですが、梅田の地下街に直結している立地と、浸水リスクにも備えるという防災面から、ビルの中間に免震層を備えた珍しい構造をしています。屋上には緊急時の避難用にヘリポートも備えられており、災害への強さにもこだわりが。

ZEBの中心的な役割を果たす、屋上の高効率熱源と空調システム

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5階から今度は一気に屋上へ。先ほども紹介したヘリポートは緊急時に使用するため、今回は撮影してませんが、以下の記事のメイン写真で使用してますので絶景はこちらから。

写真奥の壁に見えているものが、太陽光発電のソーラーパネルです。ビル南側の壁面に、35kWの太陽光発電システムが備えられています。

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外から見ると、壁面緑化の上にあたる部分です。

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太陽光パネル以外にも再生可能エネルギーへの取り組みが。こちらは容量1kWの風力発電。館内から見えない部分にも、地中熱の利用や太陽光集熱が取り入れられています。

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屋上中央には、2017年3月に完成したばかりのウッドデッキ。

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屋上にはZEBの中心的役割を担う、高効率熱源と空調システムが設置されています。まず、エネルギー消費効率にすぐれたヤンマー製のガスヒートポンプエアコン(以下、GHP)。

電気で稼動するエアコンに比べ、消費電力が10分の1以下に抑えられます。

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こちらは都市ガスでエンジンを動かし、電気を作るガスコージェネレーションシステム。容量は425kW。

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一回り小さいこちらは、マイクロコージェネシステム。容量は25kWです。ガスコージェネが都市ガスで稼動する一方、このマイクロコージェネシステムは特別仕様となり、バイオ燃料を使って発電します。バイオ燃料には、使用済み天ぷら油を再利用しています。このようなコージェネ機器や多様な省エネ機器の組合せ導入が評価され、2016年12月には平成28年度コージェネ大賞の優秀賞を受賞しました。

赤いボディのGHP、ガスコージェネレーションシステム、マイクロコージェネレーションシステムは、ここでしか見られない特注のプレミアムデザイン仕様。システムを見学に来られたお客様に喜んでいただけているそうです。

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こちらはエコシリンダーの天窓の上に設置されている、太陽光採光システムのソラリス。ひまわりのように太陽の方角に合わせて動き、より多くの自然光を取り入れています。

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ソラリスをエコシリンダーからのぞくと、万華鏡のようになっているのが分かります。乱反射して、光を効率的にエコシリンダーの中へと広げる仕組みです。

本社ビルのエネルギー生産とCO2削減の肝ともいえる屋上。こんなに見所の多い屋上って、そうそうないのでは?

ヤンマーの食料生産へのこだわりを体感
週末には一般開放するPremium Marché OSAKA

最後に紹介するのは12階の社員食堂・Premium Marché CaféあらためPremium Marché OSAKAです。よく、一番見晴らしの良いフロアは社長室や役員室に使われてたりしますが、12階の絶景は、社員やお客様が多く集まる場所であり、一般開放もはじまった社員食堂にあてている点もこのビルの特徴の一つです。

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ネーミングの通り、入口からカフェらしいオシャレな雰囲気。

この社員食堂のテーマは、食料生産の分野で豊かな未来に貢献するというヤンマーのミッションを、日々の食事を通して体感すること。

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新社屋建設の際、社員食堂の立ち上げを行ったのは女性社員を中心に組成された社内のプロジェクトメンバー。「ヤンマー社員に毎日食べてもらいた食事はどんなメニューか?」をテーマに、様々な企業の社員食堂の視察や、議論を重ねたそうです。

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出来上がった方針は、毎朝昆布や鰹で出汁をとり、ヤンマー製品を使用していただいている生産者の方が作ったこだわりの食材を使って、健康を重視した一汁三菜を提供すること。農業や漁業など、食料生産に密接に関わる企業だからこそ、食の重要性と楽しさを体感できる場所にしたいという社員から生まれた想いが込められています。

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冒頭でお伝えしたとおり、これらのこだわりを社員だけでなく、より多くの方に感じていただくため、生産者と消費者を直接つなぐ場所として2017年2月から毎週土曜日・日曜日に一般開放を行っています。営業時間は11時~15時(ラストオーダー14時半)ですが12時頃には完売になるほど盛況です。残念ながら予約はできないとのことで、早めのご来店がおすすめです。

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社員食堂内中央に位置する屋上庭園。ここは「bee garden」と名づけられた養蜂場です。ミツバチの世話はNPO法人・梅田ミツバチプロジェクトが行っています。ここで採取されたハチミツは、カフェのメニューにも使用されているんですよ。

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巣箱には1箱約1万匹、最盛期では約20万匹のミツバチが生息しています。ここから飛び立ったミツバチは、大阪城や中之島など半径2~3kmの周辺エリアから蜜を集め戻ってきます。

ヤンマーの養蜂への取り組みは、実は旧本社の時代から行われていました。植物の受粉を助け、食料生産に欠かすことのできないミツバチの役割が、ヤンマーのミッションにも通ずると感銘を受けた一人の社員のアイデアからはじまり、新社屋に移ってからも継続されています。

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壁のタイルや天井、ブースなどいたるところに、ミツバチの六角形の巣をイメージしたハニカムのデザインが取り入れられています。

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社員食堂のランチタイムは11時半から。

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メニューは、コンセプトになっているこだわりの食材を使った一汁三菜のプレマルセットのほか、デリ3種類、麺類、丼系、ムスリムフレンドリーフード、日替わり弁当などが、日替わりで提供されています。

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ヤンマーのダイバーシティへの取り組みとして以前Y MEDIAでも取材した、ムスリムフレンドリーメニューは、毎日20食ほど限定で提供されています。毎週水曜日にはムスリムカレーもラインナップに加わり、スパイシーなカレーを楽しみにしている社員が多いそう。

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社員向けのランチ時間は11時半から13時半までですが、社員食堂自体は朝8時半から夜8時まで利用可能。朝は軽食や「ベジチャージ」というグリーンスムージーなどを買いに利用する社員も多いそうです。「ベジチャージ」も、ハチミツを使ったメニューのひとつ。ヤンマーグループの特例子会社であるヤンマーシンビオシス株式会社で水耕栽培された葉物野菜も入っています。

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ハニカムのブース以外にも様々なタイプの席があり、こちらは観葉植物の置かれた大きなテーブル。

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カウンター席にはコンセントが完備されているほか、Wi-Fiも使えるので、問題なく執務ができますね。

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こちらは大型モニターを備えたYANMAR BARN。通常はオープンスペースとしてランチタイムにも使われていますが、可動式のパーテーションで仕切って会議室としても利用できます。60席程度あるので、食事だけでなくセミナーやイベント開催も可能です。共通の趣味を介して、部署を超えたコミュニケーションが生まれます。

提供する食事の美味しさはもちろんのこと、社員一人ひとりが思い思いに利用できるよう場づくりにも趣向を凝らしたPremium Marché OSAKA。ヤンマーの食料生産へのミッションやこだわりが存分に感じられる場所でした。

 


エネルギーと食の未来を映すオフィスビル ヤンマー本社を徹底レポート

ヤンマー本社ビルをエントランスから屋上まで、普段は立ち入ることのできない場所も含め盛りだくさんでお届けしました。

デザイン性もさることながら、見えない部分までヤンマーらしさと技術が詰め込まれた本社ビル。「エネルギー変換」と「食料生産」の課題解決への想いをテクノロジーとデザインの力で体現した、まさにヤンマーが目指す未来の方向を指し示すコンセプトモデルです。

ヤンマーのテクノロジーの結晶である電気・熱を有効活用するエネルギーシステムにより、CO2の排出を抑えながら新たなエネルギーを作る。自然の力で換気・採光を行うビルのデザインにより、消費エネルギーを削減する。その両輪でZEBのミッションへ挑むヤンマーの本社ビルは、都市ビルのエネルギー利用における未来へのヒントとなるのではないでしょうか。食料生産の分野でも、生産者の存在が感じられる食事を社員や一般の方にも提供し、離れてしまった食の生産と消費の場を、体感によって再び結びつけようとしています。

また、「エネルギー変換」と「食料生産」にこだわったシステムやデザインが、社員が快適に過ごせる空間や働きやすさにつながっていることも、ビルの随所で知ることができました。ヤンマーが目指す、人も自然も豊かにするA SUSTAINABLE FUTURE。その姿が垣間見られた、ヤンマー本社訪問でした。

 

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